同窓生著書の推薦文は、原則として同窓会ないし母校への著書寄贈と共に、著者自身ないし(著者とご相談の上)推薦者から、文責入りで、お寄せ下さるようお願いします。出来るだけ書き下ろしで、250字±100字程度でお願いします。



著書紹介

田中宏治(60期)著 

ドイツ売買論集

信山社 7200円+税 2021/02/28

信山社

昭和55(1980)年に武蔵中学に入学しました。中1の国語の授業で真田治彦先生が、中3から開講される第2外国語を前倒しで学習するようお勧めになりました。それに従って中1の冬にドイツ語を始めました。武蔵の授業のお蔭もあり、東大でもインター(第2外国語既修組)に入り、後にドイツ政府の国費留学生になることもできました。
 フライブルク大学での指導教官だったディーター・ライポルト教授と20年にわたって続けてきた共同研究のうち、売買に関するものを体系的に第1章〜第10章にまとめたのが本書の主な内容です。ただ、それだけでなく、「結章――日本法の解釈論」を付けました。そこは私の単独研究です(田中)。(2021.3.9掲載)

陪審裁判を考える会[編] 新倉修 四宮啓 飯考行 福来 寛[編著] 

民事陪審裁判が日本を変える―沖縄に民事陪審裁判があった時代からの考察-

(株)日本評論社刊行 3500円+税 2020/05/20

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本書は民事司法への市民参加について、かつて沖縄で行われた民事陪審裁判の実情、アメリカの民事陪審裁判などの海外の知見とともに、多方面からの検討や期待と、沖縄・福島などで問われている事件の民事裁判への市民参加の可能性をまとめたものです。今後、ロボット化・ネットワーク化が更に進行すると予測される社会変動の中、市民の総意を迅速に集約できる手段が模索されると考えられます。そこで、民主主義を更に深化させれば活路を開けるのではないかと考える、皆さんの参考になれば幸いです。(文責: 陪審裁判を考える会事務局 34期 滝田 清暉 ) (2021.3.17更新)

久保文明(49期)著  金成 隆一 著 

アメリカ大統領選

岩波新書新赤版 840円+税2020/10/20

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 昭2020年米国大統領選挙を直接予想した本ではありません。トランプとバイデンのどちらが勝つかについても、全く触れていません。米国の政治と歴史において、大統領選挙が果たしてきた役割について説明し、また有権者の生の声を通して、米国市民の選挙や政治への感覚を知っていただくことが本書の目的です。ただし、今回の選挙についても一定の示唆を得ていただくことは可能ではないかとも思います。例えば、米国における平和的政権移行の歴史について、強調しています。今回の選挙が終わった後も、長く読んでいただければ幸いと願う次第です。

大島達治(20期理)

「昭和」のかたりべ ―日本再建に励んだ「ものづくり」産業技術史

日本地域社会研究所2,500円+税2020/8/1

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 昭和初年、大恐慌の年に生まれ、その後60年の昭和を大戦時の少国民から戦後の発電土木技術者一筋に日本再建に励んだ、知る限りの体験を昭和の歴史の当事者として語り部の義務感から纏めた一代記です。次世代の各産業界のリーダーを志す方々のご参考になると信じます。入手方法については(株)日本地域社会研究所 03-5397-1231

武部尚志(57期)

楕円積分と楕円関数 ―おとぎの国の歩き方

日本評論社 3,000円+税 2019/9/25

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 18世紀・19世紀に数学の発展の推進力となり、アーベルやガウスらをも魅了し、今も数学や物理で多くの応用をもつ楕円関数の世界を、少ない予備知識で平易に解説する。数学セミナー誌の連載を修正、加筆。

寺田寅彦著 解説 有馬朗人(22期理)

銀座アルプス(角川ソフィア文庫)

KADOKAWA 840円+税 2020/5/22

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 物理学者、随筆家、俳人として知られる寺田寅彦(1878−1935)の短文傑作集。「電車と風呂」「鼠と猫」「石油ランプ」「銀座アルプス」「珈琲哲学序説」「病院風景」等30篇収録。有馬朗人氏が新たに解説を書き下ろしてます。

麻海 晶(宮本知樹(49期))

霞保育園で待っています

八月書館 1,400円+税 2020/5/25

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(あらすじ)霞保育園の子どもたちは、都心ながらも下町の風情を残す商店街や地域の人々と触れ合い、様々な経験を重ねながら成長していくが……。
 白いポストを探す子どもたちの冒険。愛を知らない保育士は成長できるのか。保育園に現れた偽物が狙うのは。商店街祭りで消えた子どもは何処へ。迷い込んだ青年、惹かれ合うのは何故。「子どもの声がうるさい」御近所の苦情に。子どもだけの家、育児放棄か。DVの追跡、恐怖の脱出。「子どもは街の宝だ!」霞保育園を狙う組織に、父母会、商店街が立ち上がる。子ども、家族、保育士、商店街の人々が、霞保育園で行き交い、支え合う。
 ラスト、この物語のもう一つの意味が……。
「公共サービスの現場である保育園の仕事と役割、そこで働く職員の思いを、小説という形で世の中に伝えることができればと思っております」(宮本)

宗前清貞(57期)

日本医療の近代史―制度形成の歴史分析

ミネルヴァ書房 6,500円+税 2020/3/11

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 本書は、近代医療の制度化過程を歴史的に俯瞰した書籍である。医療、とりわけ外科が「あてになる技術」となったのは19世紀末であり、近代国民国家形成と同時期だった。ところで日本は、医療費負担が軽いのに衛生状態が良く、医療システムの優等生だと言われる。福祉国家として後発の日本が、なぜ医療だけ突出して発展させられたのか。こうした特性はいつどのように生じたのか。特に戦時期と戦後直後の公衆衛生行政に着目し、医療における日本の近代化過程を本書は解明していく。また、社会保障に過度に傾斜することなく、本書が示す医療制度論は、医療スタッフの養成や医療機関の整備のような供給面も視野におさめ、日本の医療制度の全体像を示そうと試みている。(宗前)

近藤駿介(川崎宜夫(50期))

202X 金融資産消滅

KKベストセラーズ 2,200円+税 2020/2/27

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 年金2000万円不足問題によって、年金が何歳からどのくらい貰えるのかという情報や議論は増えましたが、現在の公的年金資金が金融市場に及ぼす今後の影響に関する情報は全くありません。 これまで株式市場を支えてきた世界最大の機関投資家と称されるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、早ければ2020年度から売手に転じることが決まっています。本著は公的年金資金(GPIF)が今後招く「アベノミクスの後遺症」に焦点を当てて書き下ろしたものです。年金に頼らずに自分で老後資金の確保を目指す現役世代の方々、退職金の運用などを検討中の方々、是非ご一読を。(川崎)

滝田輝己(41期)

横綱の品格 多様性社会を評論風に語るエッセイ集

泉文堂 2,310円(税込) 2019/12

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 「横綱」は技量、力量に優れ、さらに品格を備え、トップとして君臨しているような人(ときには物)に与えられる称号となっています。本書は、そうした「横綱」の品格を、「基調」「美しさへのこだわり」「強者と弱者」「私的ポストと社会的ステータス」「ルールについて−禁じ手と命じ手−」の5つの章に分けて、全体として一つのエッセイ集となるようにまとめたものです。

荻野弘之(50期)

奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業

ダイヤモンド社 1,400円+税 2019/9/12

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 エピクテトスの哲学については、上智大学の全学共通科目「キリスト教人間学 古代・中世の哲学」で数年来扱っており、本書は授業での題材をいくつか取り入れました。エピクテトスはこの20年ほど英語圏での研究の著しい進捗ぶりに対して、わが国では学会でも全くと言ってよいほど注目される機会がありませんでした。今回新しい校訂本から訳出した『提要』は、全訳ではありませんが、主要な章はほぼ網羅しているので、エピクテトスの理解にとって最低限必要な部分は提供することができたかと思います。今回は一般読者向けの書なので、読みやすさを第一に考えて、学術的な体裁はとっておりません。漫画とのコラボも、 私にとっては初めての試みでした。(荻野)