同窓生著書の推薦文は、原則として同窓会ないし母校への著書寄贈と共に、著者自身ないし(著者とご相談の上)推薦者から、文責入りで、お寄せ下さるようお願いします。出来るだけ書き下ろしで、250字±100字程度でお願いします。



著書紹介

田中宏治(60期)

代償請求権と履行不能

信山社 7,200円+税 2018/12/25

 昭和61(1986)年に武蔵を卒業し、同年に東大文Tに入学して以来、法学を専攻して33年が経ちました。大学院に進学して民法学の研究者となってからの大半の時間を「代償請求権と履行不能」というテーマに費やし、書き下ろしたものが拙著です。
 代償請求権に関する本邦初の単行書であり、とりわけ平成29年民法改正によって新設された代償請求権規定(民法422条の2)および履行不能規定(民法412条の2)を考察しています。両規定が立法された経緯や、それに至る沿革、さらには外国法の状況を詳細に紹介したうえで、今後、具体的にどのような問題が生じるか、その場合に裁判官がどのような基準で判断を下すべきか、を示そうとするものです(田中)。

樋口孝夫(55期)

Natural Resource and PPP Infrastructure Projects and Project Finance -Business Theories and Taxonomies

Springer Nature 2018/10/6

This book comprehensively explains fundamental theories of natural resource and infrastructure public private partnership (NRI-PPP) projects and project finance.


松石 隆(57期)

出動!イルカ・クジラ110番―海岸線3066kmから視えた寄鯨の科学

海文堂出版 1,800円+税 2018/11/1

高校生が楽しめるように書きました。ご活用いただければ幸いです。(松石)


合田秀樹(54期)

公務員人事改革 −最新米・英・独・仏の動向を踏まえて

学陽書房 3,800円+税 2018/7/24

 10年前に同じく村松教授を編者として出した「公務員制度改革‐米・英・独・仏の動向を踏まえて」の改訂版とも言える本で、米・英・独・仏4力国の公務員制の制度と実情を踏まえて日本の公務員人事改革を考察する、という本です。私はイギリスの担当で、前回は執筆者の一人でしたが、今回は、イギリスの章を監修する立場で参加しています。(合田)


辻 大和(75期)

朝鮮王朝の対中貿易政策と明清交替

汲古書院 8,000円+税 2018/2/23

 17世紀前半の東アジアでは、明から清へ中国の統一王朝が交替した。同時期の朝鮮王朝の貿易政策がどのような背景をもとに形成されたのか、本書では分析を行った。 朝鮮王朝の対中国外交史の研究は蓄積が多いが、貿易に関する分野は未解明の問題が多かった。例えば貿易によって銀や、薬材といった貴重な物資を朝鮮は入手することができたが、その輸入のために使節団の貿易や国境地帯での貿易を朝鮮がどのように管理していたのか、ということは明らかでなかった。そうした朝鮮政府の国際貿易観や政策について、本書では探求し、朝鮮政府が明・清との間に銀取引を拡大しつつ、政府が取引を管理しやすい朝貢貿易の枠組で行うようになっていたことを指摘した。

祖父江昭二(21期・文)

久保栄・「新劇」の思想

エール出版社 6,500円+税 2018/3/5

祖父江昭二氏(21期、1927〜2012)の第五作品集。主に久保栄と新劇に関わる論稿が収められている。


榎本 眞(20期理)

昭和維新人のつぶやき−ニッポンの戦前・戦中・戦後を顧みて

日本地域社会研究所 1,200円+税 2018/3/1

 激動の時代を生き抜いた昭和ヒトケタ世代が後世に伝えたいこと! 戦前から戦後へ、日本人のアイデンティティがどう変わったのか。医家に生まれ、いのちと向き合ってきた医師として、日本人として、後世に書き残す。


山中信彦(53期)

世界の裁判 見て歩こう−わたし流外国語上達法

幻冬舎 800円+税 2018/3/15

 裁判傍聴記に外国語学習のヒントをちりばめた、類を見ない異国見聞録。世界に雄飛するには至らなかった言語学徒が、それでも語学の修業を兼ねてアメリカからインドまで8カ国の裁判所を渡り歩く。裁判官に尋問されるなど、時に悪戦苦闘して入り込んだ法廷では、赤裸々な人間ドラマが繰り広げられていた……。 レイプに群がるイギリス人、涙もろいロシア人など、意外な事実が明らかに!(山中)

久保文明(49期)

アメリカ政治史

有斐閣 2,600円+税 2018/3/27

 本書はアメリカ合衆国の政治史・外交史を初めて学ぶ大学生を念頭に置いて書いたものですが、アメリカの歴史について、その概要を手っ取り早く知っていただく書として、一般の方にもお役に立つのではないかと期待しています。本書の特徴の一つは、植民地時代から説き起こしつつも、20世紀から今日に至るまでのアメリカ政治の展開を詳しく解説しているところです。このような本はこれまで日本にはなかったような気がします。つい最近のトランプ政権成立についても言及しています。また、第二次世界大戦後の部分では、アメリカ外交の一部として、日米関係についても一定程度紙数を割いています。本書をきっかけに、同盟国として日本にとってもっとも重要な国の今日に至るまでの歩みに、少しでも関心をもっていただければ幸いです。(久保)

樋口孝夫(55期)

債権法改正とローン契約

きんざい 2,000円+税 2018/3/27

 今回の債権法改正がローン契約の与える論点を指摘し、あわせてその実務的な解決策を提案する内容で ある。

武藤浩史(51期)

昏い水(マーガレット・ドラブル著 武藤浩史訳)

新潮社 2,484円(税込) 2018/2/27

 この度、70代後半になるイギリス文壇の大御所マーガレット・ドラブルの最新作の翻訳を出版しました。まさに老齢期を生きつつある老大家の筆による、身につまされながらも爆笑してしまう面白くかつ哀切な老人小説です。日英に共通する人生の悲喜劇に感じ入りつつ、イギリス人のたくましいユーモア感覚にも感嘆しながら、翻訳させていただきました。ぜひご一読ください。(武藤)