第18回デンタル武蔵会+NPO「在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」
特別講演会 開催される

(平成24年12月2日(日)12時30分〜17時 武蔵高校・大教室)

 武蔵高校を卒業して歯科医になる人というのは非常に少数で、わずか86名(平成24年12月現在)に過ぎません。たまには武蔵卒業の歯科医が一堂に会してみようかと30名ほどで集まったのがそもそもの始まりだったのですが、その後、話が盛り上がって、毎年集まろうと「デンタル武蔵会」となり、通算18回目を迎えました。

 今回の第18回デンタル武蔵会『特別講演会 』は平成24年12月2日(日曜日)に武蔵高校大教室(図書館棟1階)で開催されました。『超高齢社会で医療の果たすべき役割を考えよう』とのテーマの下、初の試みとして医師の畑恒土先生(43期)と、歯科医師の関谷秀樹先生(60期)を講師に、講演会をデンタル武蔵会に限らず、オープン参加形式で行ないました。

 遠藤 徹(56期)の司会で会ははじめられ、デンタル武蔵会会長の神田原樹先生(44期)の「多くの方にご参加いただきありがとうございました、畑先生はバスケット部のエースでした」などの挨拶に続き、半田秀穂先生(43期)から、同級生ならではのユーモアを交えた畑先生の紹介が行われました。デンタル武蔵会の呼び掛けに応じて、参加者は、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、管理栄養士、ケアマネージャー、介護士、保健所職員などの様々な職種の高齢者の介護に関わる参加者が出席されました。バスケット部のOB会からも三輪勝久さん(29期)や畑 正木さん(41期)ら多くの方が参加され、総勢64名の会となりました。

 講演会第1部は名古屋よりお招きした、あいち診療会理事長の医師 畑 恒土先生(43期)が『要介護高齢者の食』の演題でお話をされました。畑恒土先生は愛知県を中心に長年の在宅医療の御経験から、またこれからの超高齢社会での在宅医療の重要性を語られ、高齢者にとって美味しく食事を取れることがどれほど大切なことかを、症例を通してわかりやすくお話下さりました。また、いまトピックとなっている胃ろう(嚥下障害で食事が取れない人に腹部に穴を開けて胃に直接に栄養剤を入れる方法)の是非についてのお話しもされ、質疑応答でも胃ろう等について活発に意見が交わされました。

 また畑先生の主催されている『NPO法人在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク』の案内を東京事務局長の吉永 隆行さん(44期)が説明され、これからの日本社会で高齢者の在宅介護の重要性を力説されました。

 第2部は歯科の立場から、東邦大学医学部口腔外科准教授の関谷秀樹先生(60期)が『摂食・嚥下障害の基礎知識〜介護者の目線から〜』の演題でお話をされました。脳梗塞の後遺症や認知症などで食事が取れなくなる仕組みを、図や動画を用いて、流暢に大変わかりやすくお話されました。また、介護の現場で出来る簡単な嚥下障害の診断法やリハビリの方法などを説明され、こちらも会場から多数の質問が飛び交い、4時間にわたる長時間の講演会にもかかわらず、まだまだ時間が足りないほどでした。最後に出席者全員で集合写真を撮影し、お開きとなりました。

 懇親会は新江古田のレストランに場所を変えて武蔵同窓生が親睦の和を深めました。小室 聡先生(56期)の司会、田中徹先生(45期)の乾杯の音頭で始まり、恒例の自己紹介では、それぞれの近況報告と武蔵同期の友人で「最もつわものの話?」で盛り上がりました。最後は、音楽部の石井善夫さん(44期)の指揮で、全員で武蔵賛歌を斉唱して、三島茂先生(44期)の一本締めで懇親会をお開きになりました。

 来年は、スカイツリー見物を兼ねて、開催予定で計画が始まっています。歯学部の学生さんは講演会、懇親会共に参加費無料の楽しい会です。(遠藤 徹 56期)